ユーチューブの人気に伴って、様々なタイプのユーチューブ動画が配信されていますね。
その中でもとても独特な雰囲気を醸し出しているのが「バーチャルユーチューバー」の存在。
中には最新CGのようなリアルな3Dバーチャルユーチューバーもいて、「ユーチューブ=生身の人が出てきて様々なことをやっている」といった動画が多い中、とても目を引くジャンルとなっています。
そこで今回は「バーチャルユーチューバー」の仕組みや「バーチャルユーチューバーを動かしている、通称“中の人”は実はおじさんなの?」という噂の検証もしてみたいと思います。
Contents
バーチャルユーチューバーとはいったい何?
「バーチャルユーチューバー」・・・聞きなれない言葉ですよね。
普段からユーチューブを利用している人の中でも、「バーチャルユーチューバー」という言葉を「知らない」と言っている方もいるほどです。
まず、そんな「バーチャルユーチューバー」とはいったいどんなものなのかを、ご紹介したいと思います。
架空のキャラクター
バーチャルユーチューバーとは、ユーチューブ上で動画を制作・配信を行っている架空のキャラクターの事です。
「架空の?」
と一瞬びっくりしてしまいますね。
例えば・・・有名ユーチューバー「HIKAKIN」さんを例にとってみますね。
例えば、HIKAKINのユーチューブ動画を見てみると、当然ですがHIKAKINが出演しています。
もちろん動画を撮影したり編集したりしているのも、公開しているのもHIKAKIN。
バーチャルユーチューバーは、ユーチューバーやチャンネル主に変わって、企画から撮影、編集、公開といったすべての仕事を行っている、動画の中にいる架空のキャラクターということになります。
言ってしまえば、チャンネル主のアバターといったところでしょうか。
動画上では、このバーチャルユーチューバーが「今回は●×をしたいと思いまーす」とか、「この動画を撮っているときにー」と、この動画を撮っているのがバーチャルユーチューバーのような表現をする場合もあります。
バーチャルユーチューバーと普通のユーチューバーの違い
「結局、普通のユーチューバーとは具体的にどう違うの?」
言葉で説明すると、わかりにくくなってしまうので動画でご紹介します。
「PUBG」というゲームの実況動画を、「はじめしゃちょー」が行うとこんな感じですが。
これを、バーチャルユーチューバー「猫宮ひなた」が行うとこうなります。
同じゲーム実況ですが、随分雰囲気が変わりますね。
バーチャルユーチューバーを使うメリットとデメリット
メリット
正体がばれるのを防ぐ
「せっかく動画撮っているので、チャンネル主が出演しないで、わざわざ架空のキャラクターを出演させているのはどうして?」
たしかに、ユーチューブの動画にチャンネル主本人が顔を出したいと思うのはもっともです。
けれど実際にユーチューバーとなって動画に顔を出すと、知っている人が動画を見た時、「あ、この動画に出ている人●×さんじゃない?」と、正体がばれてしまいます。
ユーチューバーによっては、正体がばれる事でデメリットになってしまいます。
例えば、ユーチューバーをやっていることが勤めている会社にばれてしまうと、仕事上支障が出る場合もありますし、自宅が特定されてしまうと、動画を見た人が自宅に直接押し寄せたり、嫌がらせを受ける場合もあります。
そこで、チャンネル主が顔をださない代わりに別の架空のキャラクター=バーチャルユーチューバーを作って公開することによって、チャンネル主の正体がばれるのを防ぐのです。
顔を出さなくて済む
- 「ユーチューバーになりたいけど、俺はかっこよくもないし、デブだし、俺みたいなのが動画に出ても誰も動画見てくれないよなぁ…」
- 「でも、ユーチューブでやってみたい企画はたくさんある」
- 「顔やスタイルは自信ないけど、声やトークには自信がある!」
そんなチャンネル主の方も多いと思います。
バーチャルユーチューバーは、そんな方にお勧めなのです。
バーチャルユーチューバーを作り動画に出すことによって、チャンネル主が考えた動画やトークをバーチャルユーチューバーにやらせる。
こういう方法をすると、顔を出さなくてもチャンネル主が考えた企画やトークをバーチャルユーチューバーが代わりに動画で行ってくれるという事になります。
これは、外見に自信がないけどユーチューバーになりたい!という方にとっては大きなメリットですよね。
コストダウン
バーチャルユーチューバーを使うと、企画もコストダウンすることが出来る場合があります。
例えば・・・人気大食い系ユーチューバーの木下ゆうかの動画なのですが。
ミニストップのクリスマス商品を大食いする、という内容の動画なのですが、一人でこれら全部を購入しようとすると、かなりの金額になりますよね。
これを、チャンネル主がすべて購入して動画にすると、かなりのコストがかかります。
(クリスマスケーキ3個分+チキン10本分)。
バーチャルユーチューバーでこれらの企画を行うとすると、ケーキやチキンの代金は浮くのでその分コストダウンとなります。
ちなみに、木下ゆうかさんのこの動画は企業案件ですので、企業から商品代金、あるいは商品そのものが提供されていると思います。
企業案件について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考に。
デメリット
初期投資が高い
バーチャルユーチューバーを作ろうとすると、3D(あるいは2D)のキャラクターを一人作るという事。
動画を作るためのソフトや編集ソフトなど、専用のソフトが必要になりますので、とてもコストがかかります。
技術的な問題
バーチャルユーチューバーを作るのは、「アニメーション動画を作る」作業とよく似ています。
最近はそういったキャラクターを作る専用のソフトがありますが、そういったキャラクターを作るための技術やノウハウも当然必要になります。
そういった知識がない状態でバーチャルユーチューバーを作るのはとても難しいことですよね。
リアルなユーチューバーと一緒に動画に出ることは難しい
これは、実際に動画を見ていて思う事です。
実際に動画に出演している生身のユーチューバーと、バーチャルユーチューバーの共演は、技術的にとても難しいですよね。
実在する人物とアニメーションキャラクターが共演するようなものなので・・・
こんな感じになってしまいます。
画面の中と外で対談?といった様子。
リアルなユーチューバー同士のコラボとはちょっと違う感じになってしまうのです。
バーチャルユーチューバーの仕組み
「バーチャルユーチューバーって、どうやって作るの?私でも簡単に作れるものなの?」
動画の中でかわいらしく歌ったり踊ったりするバーチャルユーチューバーを見ていると、ついそんなことを考えてしまいます。
それでは、実際にどうやってバーチャルユーチューバーを作っているのか、その仕組みをご紹介します。
バーチャルユーチューバーの3つの要素
バーチャルユーチューバーは、この3つの要素から成立しています。
- キャラクターモデル
外見。専門のデザイナーが行っている場合もある。 - 動き
3Dモーションエディタによって人の動きのデータを取る - 声
声優さんや、専用のソフトを使って声をつける
一つずつご紹介していきますね。
キャラクターモデルの仕組み
キャラクターの基本となる「外見」。
企業が作っているバーチャルユーチューバーは、キャラクターデザインを専門のデザイナーさんが作っていますが、髪型、目や顔のパーツはもちろん、表情やしぐさなど細かくデザインされます。
バーチャルユーチューバーの動きの仕組み
キャラクターの「動き」は、「3Dモーションキャプチャー」というソフトで作られます。
人に専用のセンサーを付けて動いたり踊ったりしてもらい、その動きの信号を記録するソフトです。
それを使って、実際の人の動きのデータを取ります。
このような感じです。
キャラクターの動きの仕組みはこのようになってるのですね。
キャラクターの声の仕組み
デザインが出来上がり、動きがつけられたキャラクターには、次に声が入れられます。
声は、専用の声優さんが行う場合もありますし、専門のボーカルソフトを使う場合もありますね。
バーチャルユーチューバーの仕組みはこのようになっていますが、この他にも動画編集等の作業や専用ソフトもあるので、こうしたバーチャルユーチューバーは企業宣伝のために作られている場合が多いです。
バーチャルユーチューバーの“中の人”はおじさん?
さて、世間では様々なバーチャルユーチューバーが活躍しています。
そんなバーチャルユーチューバーに関して、面白い噂があるのです。
それが、
「バーチャルユーチューバーの“中の人”は実はおじさん」
という話。
実際のところはどうなのか検証してみたいと思います。
「中の人」とは
そもそも「中の人」って、あまり聞きなれない言葉ですよね?
「中の人」とは、例えば着ぐるみ等が出演するショーで、着ぐるみを着ている人の事を指します。
転じて、ソフトウェア業界では「ゲームを作った人」ですし、テレビ番組においては制作関係者、企業においては、その企業に勤めている人、サービス関連においては運営者・・・というように、様々な物事の内部にいて、名前や顔は見せないけれども重要な役どころにいる人の事を「中の人」と呼びます。
バーチャルユーチューバーの“中の人”
さて、それではバーチャルユーチューバーの「中の人」はどんな人なのでしょう。
正確に「この人が中の人です」という明確な定義はないのですが、一般的には「バーチャルユーチューバーの制作に携わった人」という事になります。
例えば、バーチャルユーチューバーの外見を作ったデザイナーさんや、バーチャルユーチューバーの動きのモデルとなった人(モーションキャプチャーで動きを取った人)も「中の人」ということになります。
けれど、実際にバーチャルユーチューバーの動画を見ている人にとって、バーチャルユーチューバーの「中の人」として認識されているのは「声優さん」で、様々なメディアで、「バーチャルユーチューバーの中の人=声優さん」という表現をしています。
中の人がおじさん?
すべてのバーチャルユーチューバーの「中の人」がおじさんというわけではありませんが、
中の人が「おじさんなのではないか?」と言われているバーチャルユーチューバーはいます。
それが、この「ねこます」
自称「バーチャル狐娘YouTuberおじさん」ということです。
こういったバーチャルユーチューバーに共通して言えるのが、かわいらしい特徴のある女性的な声なのですが、ねこますの声はややおじさんっぽいのです。
というわけで、このねこますの中の人は「おじさん」なのではないか?と噂が立ったのです。
実際、ねこますの声優を担当しているのは男性です。(しかもこの男性が、ねこますのデザインや動き、編集といったすべての作業を一人で行ってるのです!)
実際、年齢を検証してみると、
- 2012年ごろから本格的に絵を描き始めた。
- 学生時代頃からニコニコ動画で動画を公開していた
という情報がありました。
2012年頃、学生時代の終わりか社会に出始めたばかりと仮定して、大体現在20代後半くらい・・・おじさんとよぶにはちょっと若いですよね。
けれど、この「ねこます」が自称「おじさん」というところから、「ねこますの中の人はおじさん」という話が独り歩きしているのでは?と思います。
中の人がバレているバーチャルユーチューバー
一般的に、バーチャルユーチューバーの「中の人」(声優)が誰かは、あまり公表されていないようなのですが、中の人がばれているバーチャルユーチューバーも多いです。
なお、ここにご紹介しているからの「中の人」はすべて女性です。
キズナアイ
バーチャルユーチューバーの先駆け的存在の「キズナアイ」は、一時期中の人が「男性なのではないか?」という噂があったのだとか。
彼女の中の人も、公開されてはいませんがばれています。
キズナアイと声は勿論、好きなアニメや好きなアイドル、キズナアイが発する方言が使われている地域と声優さんの出身地が同じ・・・などの理由から、「春日望」が中の人ではないかと言われています。
輝夜月(カグヤルナ)の場合
輝夜月も、中の人が誰、という公表はしていません。
ただし、Twitterで使われている口調や発言、声の質、テンション、突っ込み方などから、声優の「P丸様」ではないかと言われています。
ミライアカリ
エネルギーにあふれた元気な声が特徴のミライアカリ。
ミライアカリも、中の人が誰だか公表していませんが、Twitterの文章の様子や声や話し方のテンションから、声優の「マイア」さんではないかと言われています。
バーチャルユーチューバーの中の人が「おじさん」というパターンは少ないですが、少ない為に目立ち、「中の人は実はおじさん」という噂が独り歩きしているのかもしれませんね。
まとめ
バーチャルユーチューバーの仕組みと、「中の人がおじさん?」という噂の検証をご紹介しましたが、いかがでしたか?
「ただのアニメ動画でしょう?」と言ってしまったらそれまでですが、人気のあるバーチャルユーチューバーはどのキャラクターもたくさんの人の技術によって完成されたキャラクターなのですね。
そんなバーチャルユーチューバーの中の人がおじさん、という噂も、当初聞いた時には驚きましたが、実は「男性だった」ということと、バーチャルユーチューバー自身が自分のことを「おじさん」と言っているところから独り歩きしているようですね。
そんなことを踏まえて、バーチャルユーチューバーを見ていると、今までとはもっと違って見えるかもしれませんね。