有名Youtuberの多くのが事務所に所属していますが、YouTuberの事務所はどのような役割をしているのでしょうか?
また、YouTuberが事務所に所属することでどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
今回は、YouTuberの事務所についてとその役割について、YouTuberが事務所に所属するメリット、デメリットについてご紹介します。
Contents
YouTuber事務所の意味
最近はYouTuber専門の事務所も
多くの人気Youtuberが、事務所に所属している事が多いですよね。
- 「ユーチューバーの事務所って、芸能人のプロダクションみたいなやつ?」
- 「ユーチューバーって芸能人みたいだからねー」
などと考えている方もいるかもしれませんね。
確かに最近は、YouTuberを大勢抱えているYouTuber事務所もありますので、「芸能事務所=YouTuber事務所」ととらえている方も多いようです。
MCNの意味と役割
一般的に、YouTuberの事務所は「マルチチャンネルネットワーク」(MCN)というシステムをとっています。
MCNとは複数のチャンネルを持つアカウントのことを言います。
ここで言うチャンネル一つ一つは、MCNに所属するYouTuberのチャンネルのことを指します。
では、YoutuberにとってMCNはどんな役割をになっているのでしょうか?
MCNに加入したYoutuberが報酬を得るまでの流れを以下にまとめました。
- MCNは、Youtubeに広告を提供しているgoogleと一括契約
- MNCに所属するYouTuberの動画が再生され広告収入が発生
- googleが定期的に広告報酬をMNCに支払う
- MNCは広告報酬の一部を手数料としてもらう
- MNCに所属しているyoutuberへ広告報酬が分配される
このMCNがユーチューバーの事務所の役割を果たしているのです。
芸能事務所とYouTuber事務所の意味あいの違い
- 「そもそも、芸能人をマネージメントしている芸能事務所とYoutuberが所属している事務所って、同じものなの?」
- 「YouTuber事務所は、“YouTuber=芸能人”としてマネージメントしているの?」
そう考える方も多いかもしれませんね。
確かに、芸能事務所とYoutuber事務所の仕事は似ているのですが少し違うようです。
芸能事務所の意味と役割
まず芸能事務所がマネージメントするのは主に「芸能人」です。
芸能人が活躍する場所の一つにテレビがありますので、それを例に挙げてみますね。
まず、テレビ局等で「企画」や「構成」を考える人がいます。
その「企画」や「構成」に合う「芸能人」が「出演」し、その上で出来上がった作品が編集され、テレビのチャンネルで放送、「公開」される、という流れになります。
芸能人や芸能事務所がかかわるのは、この流れの中で「芸能人が出演する」という一点です。
所属芸能人がテレビやメディアに「出演する」あるいは「出演できるようにする」ように手配、マネージメントをするのが芸能事務所の仕事となります。
YouTuber事務所の意味と役割
一方、一般的にYouTuberは、上の説明でテレビ局が行っている「構成」や「企画」は勿論、「出演」もして、さらに裏方仕事でもある「編集」や「公開」といった作業まで、すべてをそのYouTuber1人(あるいはグループ)で行っています。
YouTuber事務所は、YouTuber個人がそれぞれ担っている「企画」や「構成」、「出演」「編集」、「公開」といったすべてをマネージメントすることになります。
そのため、YouTuberの事務所によっては所属YouTuberを対象にした動画編集の勉強会や、動画クリエイターとしての講習を行っているのだとか。
「タレントや俳優を育てる」といった一面も(YouTuber自身が動画に出る場合もありますし)あると思いますが、それと並行して「企画」や「構成」、「編集」といった動画作成において必要な全てのスキルを育ててゆくのがYouTuber事務所の役割となってゆきます。
YouTuber事務所の仕事と意味
それでは、具体的にYouTuber事務所がどのような仕事をしているのでしょうか?
YouTuberの事務所の仕事や役割は芸能事務所とよく似ているところもありますが、こんな仕事があります。
企業案件についての折衝
YouTuberにとっては大きな収入源となる「企業案件」。
こういった案件は、以前までは企業からYouTuber個人へと依頼が来ていました。(今でもその流れはあります)
けれど、YouTuber個人と企業が様々な交渉をしようとすると信用問題や報酬面などでうまくいかなくなるケースもあります。
そこで、YouTuberが直接交渉するのを避ける意味もあり、事務所が企業とYouTuberの間に入り、様々な折衝をしてくれるようになります。
また、企業が事務所を通して案件依頼をしてきた場合も、案件を事務所に所属するYouTuberに紹介するので、事務所に所属していると企業案件を受けやすくなります。
YouTuberにとって、企業案件は大きな収入源、事務所に所属していればそれが受けやすくなるという意味では、YouTuberにとっては大きなメリットですよね。
ファンレターやプレゼントの送り先
ユーチューバー個人で活動して人気が出てくると、ファンが付くことも多いです。
そういったファンの方がファンレターやプレゼントを送りたい場合でも、ユーチューバーは住所や電話番号を公表できない(場合が多い)ので、そういったファンレターやプレゼントを受け取れない場合がほとんどです。
もしもYouTuber個人が、住んでる住所や連絡先を不用意に動画に載せてしまっては、その住所に対して不用意に訪問してきたり、ストーカーや嫌がらせの原因となることもあります。(実際、動画がきっかけで住所がばれてストーカー被害に遭ったYouTuberもいます)
YouTuberがファンやアンチからの攻撃を避ける意味もあり、ファンとの間に事務所が入り「所属YouTuberへのファンレターは事務所へ送ってください」という仕組みにしてくれるのです。
ほかのYouTuber とのつながりを持てる
YouTuberは、基本的に一人で動画を取り、一人で編集、公開をする・・・という一人での作業が多いです。(中にはグループで行っている方もいますが)。
そのため、他のYouTuberと知り合う機会はあまりありません。
けれど、事務所に所属していると、同じ事務所所属のYouTuberと知り合う事が出来ます。
最近よく見かけるYouTuber同士のコラボは、こうした事務所でのつながりがきっかけで行われることが多いのです。
グッズの製作販売
人気が出てくると、グッズや書籍といったものを出す事もあり、こういったグッズ類の売り上げも、YouTuberにとっては大きな収入源となります。
ところが、こういった企画から販売をYouTuber1人で行おうとすると労力がとてもかかります。
それらの労力を払わずに済むという意味で、事務所がサポートしてくれることになるので、YouTuber個人の負担はずいぶん軽くなります。
各種 勉強会等
これは事務所によりますが、所属YouTuberむけの勉強会を開催している事務所もあります。
例えば動画編集や、企画に関する講習、チャンネルを成長させるためのノウハウといったものです。
YouTuberがより良い動画を作成できるようにという意味で、所属YouTuberのスキルアップに協力するのも、事務所の大切なお仕事なのですね。
イベント開催
まだ人気がそれほどでもないYouTuberでしたらそうでもないのですが、個人活動している人気YouTuberが、ファンを集めてイベントを開催すると、それだけで大変な労力になります。
そういったファンイベントの企画準備、開催も事務所が行ってくれます。
たとえばUUUM事務所主催のファンイベント「U-FES」が有名。
所属YouTuberとファンのイベントの中では、日本では最大規模ではないでしょうか?
事務所に所属するメリット・デメリット
YouTuberにとって、事務所に所属るメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょう?
なぜ、Youtuberは事務所に入りたがる(あるいは、入りたがらない)のでしょうか?
メリット
メリット1:企業案件を受けやすくなる
個人だとよほど大物YouTUberにならないと受けることが出来ない企業案件が事務所に所属していると受けやすくなります。
また、事務所所属していない方でも「業務提携」という形で事務所にかかわりを持つことによって優先的に企業案件を受けられる・・という場合もあります。
実際、YouTuberの中には、メインで所属している事務所があって、その他に企業案件を受けるために“業務提携”という形で別の事務所に登録している方もいます。
それくらい、事務所に所属していると企業案件が受けやすい、という事になりますね。
メリット2:ファンレターとYouTuberとの懸け橋
事務所から所属YouTuberあてに届くファンからのファンレターや贈り物を事務所が預かってくれます。
人気YouTuberになると、ファンレター等が送られてくることがありますが、基本的にYouTUberは自分の住所を公開することは出来ませんので、事務所がファンレター等をあずかってくれるのです。
これにより、YouTuber個人のプライバシーをある程度守ることが出来るので大きなメリットですよね。
他にも、イベントや、好きなYouTuberがいるから、とか、いろいろ勉強できるから・・・等、YouTuber個々にそれぞれ事務所に求めるものがあると思いますが、
一般的に見て、YouTuberにとって事務所のメリットはこの二つですね。
デメリット
メリットがあれば、デメリットもあります。
次に、YouTuberにとってのデメリットもご紹介しますね。
デメリット1:事務所に収入の一部を支払う
事務所に所属すると、例えば企業案件の報酬の何割かや、広告収入の何割かを、事務所に支払うことになります。(支払う金額の割合は事務所によって異なります)
これによって、YouTuber個人への収入は事務所に所属しない状態よりも減ることになってしまいます。
大物YouTuberでしたら、事務所への支払いも平気かもしれませんが、知名度の低い、収入のあまりないYouTuberにとっては、この事務所への支払いだけでもかなりの出費になり、デメリットになります。
デメリット2:「事務所NG」により動画が作りにくくなることも
それぞれの事務所には、事務所が持つ「イメージ」というものがあります。
また、事務所によっては
- 「こういう表現はしてほしくない」
- 「こういうトラブルは起こしてほしくない」
という要望もあり、それを破るとペナルティーを受ける場合もあるとか・・・
それによって、「動画による自由な表現が出来ない」場合があります。
特に日頃過激な発言をしているYouTuberや、法律的、倫理的にグレーな動画を公開している方にとって、事務所からの規制は大きなデメリットとなります。
なぜ事務所に入らないの?
事務所に所属したほうが良いのかどうかは、そのYouTuberの考え方次第です。
「うちはフォロアー数も少ないし、パートナープログラム加入しているけど趣味の範囲だしー、本職にするつもりはないから、事務所には所属しなくて十分!」
という方もいるかもしれませんし、あるいは
「YouTuberとして活躍して、高収入を得られえるようになりたいし、企業案件もやりたいから、もう少しフォロアー数が増えたら事務所に入る!」
と心に決めている人もいるかもしれませんね。
なぜ事務所に入りたいか、なぜ入りたくないかは本人次第です。
また、様々なデメリットを考慮して「あえて事務所に所属していない」ユーチューバーもいます。
また、事務所に入っていたものの辞めてしまったというユーチューバーもいるようです。
- 事務所との考え方の違い
(この理由が多いのではないでしょうか?)
- YouTUbeチャンネルを法人化して、税金対策
(kan&Nami’schannelは広告収入が多く、税金対策のためにチャンネルを法人化して税金対策したといわれています) - 自分の事務所設立の為
- 「なぜ事務所に入る?」
- 「なぜ入らない」
といった疑問は、本人にしかわかりません。
事務所に入るかどうかは個人の考え方次第ということです。
事務所に入る方法
「YouTuberの事務所に所属するにはどうしたらいいの?」
そんな風に思うYouTuberの方もいるかもしれませんね。
Youtuberの事務所に加入するにはいくつかの方法があります。
直接応募
YouTuberの事務所に直接オファーして事務所に入る方法です。
もちろん、加入するのには一定の条件がありますし、事務所の公式サイトによってはそういった募集を行っていない事務所や、応募フォームがないところ、あるいは応募に一定の条件があるといわれています。
細かい条件に付いては、YouTuber事務所に問い合わせてみるのが無難です。
ちなみに、YouTuber事務所最大手「株式会社UUUM」の場合は「UUUMクリエイター」(所属YouTuber)になるためには、チャンネル登録者数が15万人いることが条件なのだとか・・・(この条件も、また上がるのではないかという噂もあります)
また、「株式会社VAZ」の場合は、チャンネル登録者数が1万人位で応募できる、という話も聞きます。
いずれにしても、こちらからアクションをかけないと始まりません。
もし興味のある場合は、一度問い合わせてみるのが良いですね。
事務所の養成所に入る
これはUUUMで実際に行われている「UUUMネットワーク」というシステムです。
これはいわば、YouTuberの養成所といったところ。
応募条件(2017年は、動画の再生回数が10000回)を満たしていれば入れるそうで、ここでYouTuberになるためのスキルをしっかりと磨いてやがてはクリエイターに・・・という事です。
直接オファー
フォロアー数も多く、動画再生回数が多い人であれば、事務所からオファーが来る、という事もあるかもしれません。
ただしこれは、YouTuberとして有名になることが前提。
道のりは険しいですね。
まとめ
YouTuberの事務所についてと、事務所に所属するメリットやデメリットをご紹介してみました。
YouTube事務所と聞くと、「芸能事務所と同じでは?」と思われがちですが、仕事内容は似ているものの、根本的なところはずいぶん違っているのに驚きました。
最近は、殆どの有名YouTuberが事務所に所属していますが、所属せずに頑張っているYouTuberもいます。
メリット、デメリット、あるいは「なぜ事務所に入るか」「なぜ入らないか」をご紹介しましたが、それをどうとらえるかはYouTuberの考え方次第という事ですね。